コヘレトの言葉2章

なぜなら、神は御心に適う人に知恵と知識と喜びを与える。しかし、罪人には集め、積み上げることを務めとし、それを御心に適う人に与えてしまうからだ。これもまた空であり、風を追うようなことである。(26)

 コヘレトはまた人間的な喜びを追求することによって幸せになろうとしました。面白いこと楽しいことを追い求めました。酒を飲んで楽しもうとしました。広くきれいな庭のある豪邸に住みました。男女の奴隷、多くの羊や牛の群れ、金銀財宝を手に入れました。多くの歌い手をそろえ、また多くの美女たちをはべらせました。欲しいものは何でも自分のものにすることができました。でもすべては空でした。ですからコヘレトは言うのです。自分は実際に試してみたけれど、そういったものを追い求めていってもそこには幸せはない。
 また知恵を極めていくこともしました。確かに世界中からソロモンの知恵を聞くために人々が集まってきましたし、人々はソロモンの知恵に驚嘆し、ソロモンの富と権力に息をのんだことでしょう。でも当の本人は、虚しいと言います。そして言うのです。神が知恵と知識と喜びを与えてくださるのだ。神は私たちの小さな日ごとのいとなみの中に喜びを与えてくださるのです。