詩編141編

私の祈りがあなたの前に
香として供えられますように。
高く上げた両手が夕べの供え物となりますように。(2)

 この作者はいろいろな悪の道を歩む者たちのただ中にあって主に叫んでいます。彼らは巧妙にこの作者を誘い、自分たちの側に引き込もうとします。悪事や不正、また汚れた言葉に作者を誘うのです。作者は自分が、時に、そういった誘いに傾きかねないことも知っています。彼らはこの世的には非常に知恵があり、甘い言葉をもって主に背かせ、罪に陥らせようとします。ですからこの作者は主に祈り、主の支え、守りを願い求めるのです。
 そして主はそのような作者の祈りを喜んでくださいました。ここでも祈りのことを「香」にたとえています。旧約聖書の時代、神の幕屋や神殿など、ささげものが献げられる場所では、同時に香がたかれました。それは天に上っていく、香しいかおりでした。それと同じように、祈りは神の御前に立ち上る香のようなもので、それは主が喜ばれるかおりを主のもとに届けます。そして主は私たちのつたない祈りをも喜んでくださるのです。