詩編119編1~8節

幸いな者、完全な道を行き
主の律法を歩む人は。(1)

 詩編119編は旧約聖書で一番長い章ですが、ヘブル語のいろは歌になっています。ヘブル語の各アルファベットで始まる節が8節ずつで、ヘブル語のアルファベットは二二文字ですので、8×二二文字で、一七六節ということになります。このようにして、イスラエルの人々は御言葉を心に刻み、また記憶していったのです。
 この119編は幸いな者という言葉で始まります。神さまに祝福されているということです。詩編全体もまた、また、この「幸い」という言葉で始まります。
 確かに聖書の世界においては、財産が多いとか、多くの子どもを与えられているとか、広い畑を所有しているとか、目に見える豊かさについても「祝福」と語ります。ただ同時に、ここでは、完全な道を行き、主の律法を歩む人を、幸いな者と呼びます。この詩編の大きなテーマは主の言葉です。それを「掟」「律法」「戒め」「おきて」「道」「裁き」「定め」「諭し」などいろいろな言い方で言い換えていくのですが、主の御言葉に従って生きることこそが幸いだというのです。