詩編76編

あなたこそ、あなたこそ恐るべき方。
怒りを発せられるとき
誰がその前に立ちえようか。(8)

 詩編の記者は、イスラエルを救い、エルサレムにその神殿を建てさせ、その名を置かれた主をたたえています。イスラエルは小さな国でしたし、軍隊も小さく、武器や装備も限られていました。周辺の国々もイスラエルを打ち破ることなどわけもない、と考えていたかもしれませんし、アッシリア、バビロン、エジプトなど強大な国々がいくらでもありました。しかし、イスラエルの歴史を知っている人々はイスラエルを恐れました。もっと正確に言うと、イスラエルの歴史の中に働かれた神を恐れたのでした。事実、イスラエルの民が主に信頼して歩んだ時には、主は彼らと共にいて、その力強い御手をもってイスラエルを救い出してくださいました。イスラエルが強いのではありません。彼らと共におられる主が力のあるお方だったのです。主は私たちにとっても力のある方です。主は私たちのために怒りを表してくださいます。そして地の上の誰も、このお方に逆らうことはできないのです。