詩編55編

あなたの重荷を主に委ねよ。
この方はあなたを支え
正しき人を揺るがせることはとこしえにない。(23)

 この詩編の作者は神の御前に祈り、叫んでいます。彼は嘆き、うろたえ、不安でいます。不安な時に、信仰があるからビクビクしてはいけないと叱りつけられるのではなく、「不安です」と正直に申し上げることができることは何と幸いなことでしょうか。
 ただ、この作者を苦しめているのは単に自分に敵対する者がいて、自分を追い詰めているということではありません。元々仲間であって、共に主の御前にいた友が、主に背を向け、この作者を嘲っているのです。
 この作者はまさにとてつもなく深い悲しみと悩みの中にあります。彼は心の痛みにつぶされそうです。しかし、この作者はすべての重荷を主におゆだねします。自分が背負い込んで自分一人で解決するにはあまりにも大きな重荷です。しかし、主はそのような中にあっても作者の叫びを聞き、彼を贖い、救い出して、決して揺らぐことがないように支えてくださったのです。