詩編39編

主よ、知らせてください、私の終わりを。
私の日々の長さ、それがどれほどであるかを。
私は知りたい、いかに私がはかないかを。(5)

 この詩編の記者の周りには悪しき者たちがいて、この作者を嘲り、また言いたい放題馬鹿にしています。この作者は口を開いて反論し、彼らを打ち負かし、罵倒したい思いがないわけではありません。しかし、彼は口を閉ざします。口を開けば舌で罪を犯してしまうと思ったのです。
 けれども、ここでこの詩編の記者は主に向かっては口を開き、祈り、嘆きます。そして苦しみの中で彼は言います。自分の人生の日々の長さを知らせてくださいと求めるのです。私たちは若いうちは、健康であれば、自分の人生に終わりがあるということには意識は向けません。いつまでもそれが続くようにも思っています。しかし、私たちが自分の人生が有限なものであり、いかに短くはかないものかを知ると、自分の敵を黙らせることによって生きがいを得るのではなく、自分が宿り人であり、主に身を寄せる者であることを知って、そこに平安を見いだすのです。