詩編25編

私の目は絶えず主に向かっている。
主は私の足を網から引き出す。(15)

 この詩編はヘブル語のアルファベット詩です。イスラエルの人々はこのようにして、祈りの歌、信仰告白の歌を共に口ずさんだのです。この詩においても詩編の記者は、いろいろな苦しみの中に置かれています。敵は作者を辱め、勝ち誇ろうとしています。苦しみ・労苦・苦悩があります。敵は多く、彼に憎しみを向けています。詩編の記者はある意味、とても孤独です。問題は敵だけではありません。この作者は自分の過ちや罪深さにも深い痛み・嘆きをもっています。
 しかし、そのような中にあって、この詩編の記者は主を仰ぎ見ます。主に目を向けます。確かにいろいろな苦難もよく見えています。しかし、その苦難をじっと見つめるのではなく、目を上げて、主を見つめる。この詩編の記者は困難の中にあっても主を仰ぎます。詩編の記者は網に足を絡め取られそうになっています。しかし、主はその弱い足をそこから引き出し、守り、助け、贖ってくださるのです。