詩編23編

主は私の羊飼い。
私は乏しいことがない。
主は私を緑の野に伏させ
憩いの汀に伴われる。(1~2) 

 大変有名で、多くの人に愛されている詩編です。ユダヤ人たちはこの詩編を「ダビデの詩」と呼びました。実際にダビデがこの詩編の作者だったかどうかは分かりません。しかし、ユダヤ人たちがこの詩編を読んだときに、ダビデの生涯を思い浮かべたのです。ダビデは子どもの頃、羊飼いとして父親の羊の群れの世話をしていました。そしてダビデが主なる神のことを思うときに、この少年時代に、自分が羊飼いをしながら経験したことを思い起こし、またその経験が彼の信仰の土台となったのです。
 ダビデは羊を守り、導き、養いました。そしてダビデは、羊飼いのように自分を支えてくださり、良きものをもって養ってくださる力強い神を思い起こしました。敵がいないわけではありません。危険がないわけではありません。しかし、主はこの詩編の作者の生涯の中にいつも祝宴をもうけ、また豊かなよい油をもって満たしてくださったのです。