エステル7章

王様、もし私が王様のご好意を得、そしてもし王様が良しとされるならば、私の望みをかなえて私の命を、私の願いを聞き入れて私の民をお救いください。(3)

 ついにエステルの酒宴の二日目がやって来ます。エステルがすべてのことをスケジュールし、計画したのではありません。もちろん、エステルも心を込め、思いを注いで準備したことでしょう。そして結果としてこれ以上ないギリギリの、そしてベストのタイミングで事が進んでいることに私たちも驚きます。
 王の促しに答えて、ついにエステルは自分の思いを吐露します。そして、彼女は「私の民をお救いください」と王に対してストレートにその願いを伝えたのでした。ここでも、まだハマンは事態がのみ込めていなかったかもしれません。しかし、「その苦しめる者、その敵は、この邪悪なハマンです」とエステルが自分を指さすに及んで、エステル自身がユダヤ人であること、そしてユダヤ人殺害計画がとんで、もない結果を自らの身に招いていることに気づいたはずです。王はハマンに対して激怒し、彼を処刑したのでした。悪をたくらんだハマンは逆に滅ぼされたのです。