エステル5章

王が庭に立っている王妃エステルを見たとき、彼女は王の好意を得た。王はエステルに、手にした金の笏を差し伸べた。エステルは近づいてその笏の頭に触れた。(2) 

 三日間の断食祈祷をし、また多くのユダヤ人たちの祈りにも支えられていることを覚えながらエステルは王の前に出ます。エステルの中にも恐れがあったでしょうし、また大きな緊張感をもって王の前に立ったことでしょう。そして王はその笏をエステルに伸ばしてくれたのでした。エステルの命がつながりました。そして王はエステルに、彼女の願いを聞いてくれました。エステルはここではまだ自分の願いを告げません。ただ王と大臣ハマンに彼女の開く酒宴に来て欲しいとだけ答えたのでした。
 そしてその日、王とハマンはエステルの酒宴に出席します。しかし、その場でも、エステルは自分の思いを告げず、翌日もう一度開く酒宴に来てほしいこと、その時に、自分の願いを告げることを伝えたのでした。これはエステルが優柔不断で、自分のしなければならないことがなかなかできなかったということではありません。そこにも不思議な主の働きがあったのです。