エステル4章

もし、この時にあなたが黙っているならば、ユダヤ人への解放と救済が他の所から起こり、あなたとあなたの父の家は滅びるであろう。このような時のためにこそ、あなたは王妃の位に達したのではないか。(14)

 王の印を押された布告がペルシア全土で出され、ユダヤ人の中には大きな悲しみと嘆きがありました。モルデカイも粗布をまとい、灰の中に座り、断食して嘆きの声を上げたのでした。
 エステルはハマンの手によって作られた王の法令について知りませんでした。しかし、モルデカイの様子を聞いて心配して、彼のもとに人を遣わしたエステルは、モルデカイを通して、ユダヤ人に対して出されている恐ろしい法令について聞いたのでした。モルデカイはエステルに王への執り成しを依頼します。しかし、ペルシアにおいては王の許しなしに王の前に近づくことは禁じられており、その禁を破るなら、死ななければなりませんでした。そしてそれはエステルも同じでした。しかしモルデカイは、エステルに彼女が王妃になったのは、まさにこのような時のためだと言うのでした。エステルはついに命がけで王の前に出る決意をします。エステルもそのために祈るのですが、同時に彼女はモルデカイとユダヤ人たちにも祈りの要請をしたのでした。