エステル2章

エステルを見る人は、皆彼女に好意を抱いた。(15)

 エステルは確かに美しい女性だったのだと思います。彼女は、王様のお妃候補の一人として王宮に召し入れられます。国中から美しい娘たちが集められたのですし、その多くは真剣に王妃として選ばれることを願い、期待していたことでしょう。エステルのライバルはとても多かったでのです。スタイルや容姿という意味では、甲乙付け難かっただろうと思います。
 しかし、エステルの美しさは単なる外見的なものではありませんでした。彼女は早くに両親を失っていました。しかし、伯父のモルデカイに大切に育てられました。またエステルは伯父から祈ることを教わり、またモルデカイの言いつけに素直に従う女性として育ちました。
 そしてエステルは、王宮においても、すべての人たちに好意をもたれました。エステルと接するすべての人から好感度が高かったのです。またエステルは王のところに出る時にも、人々のアドバイスに従うだけで、自分をよく見せるための小道具などを特別に求めることはしませんでした。まさにエステルの美しさは彼女の内面から来るもので、その美しさは異国の王をも魅了したのです。