歴代誌下2章

そこで今、私は分別をわきまえた熟練の者、フラム・アビを送ります。彼はダンの一族の女の息子で、父はティルス人です。金、銀、青銅、鉄、石、木材の細工と、紫、青、上質の亜麻布、深紅の織物の扱いに熟練し…(12~13)

 ソロモンはティルス(口語訳ではツロ)の王フラムに手紙を送ります。先代のダビデもティルスの王フラムとはとても良好な関係を持っていたからです。そして、神殿を建築するために、金属加工や織物に卓越した職人とイスラエルの北に生えているレバノン杉を提供してほしいと願い出たのです。
 フラムはソロモンの求めに快く応じます。そしてレバノン杉を切り出して海路イスラエルに送ることを決め、また職人フラム・アビを送ってくれたのでした。このフラム・アビは、父はティルスの人、母はイスラエルのダン族の女性でした。この女性がどのような経緯でティルスの男性と結婚したのかは分かりません。ダン族がイスラエルの最北に領地を持っていましたので、ティルスと交流があったのかもしれませんし、また何らかの戦争の折に捕虜として連れて行かれてティルスに住むようになったのかもしれません。おそらくフラム・アビもいろいろな苦労があったことでしょう。しかし、全てはこの時のためだったのでしょう。