歴代誌上19章

ダビデは、「父のナハシュが私に誠実であったのだから、私もその子ハヌンに誠意を示そう」と言い、使いを送って彼の父のことで弔意を表そうとした。(2)

 イスラエルの東側にあったアンモンの王ナハシュが死に、その子ハヌンが王位を継ぎました。ダビデはナハシュと良好な関係を持っていましたから、弔問の使いをアンモンに送ります。しかし、ハヌンの取り巻きの家来たちはダビデの弔意を疑います。きっとダビデは自分たちの国が悲しみの中にあるのに乗じて、アンモンの国を探りに来たのだろうというわけです。
 ハヌンは家臣たちの意見を聞き、ダビデの遣わした使者たちを辱めて追い返しました。イスラエルとアンモンの関係は一気に悪化します。アンモンはツォバから戦車兵三万二千というとんでもない数の援軍を確保してイスラエルに戦いを挑んだのでした。しかし、イスラエルは主に助けをいただいて、大勝利を得たのでした。
 事の起こりは、ダビデが善意で示した弔意をハヌンが素直に受け取れなかったことにあります。人を信じてだまされる経験を積むと、人は疑り深く、また慎重になるものです。しかし、どんな時も信じることのできる友を近くに持つことのできる人はさいわいです。