歴代誌上18章

さらに、ツォバの王ハダドエゼルが、ユーフラテス川流域を手に入れようとハマトの方へやって来たとき、ダビデは彼を討ち、戦車一千、騎兵七千、歩兵二万を奪った。戦車の馬は、百頭を残して、ほかはすべて足の筋を切った。(3~4)

 ダビデは次々に周辺諸国を打ち破っていきます。ペリシテはイスラエルの南西部、モアブは東側、ツォバは北東側にありました。ツォバの王ハダドエゼルとの戦いでは、ダビデは戦車一千、騎兵七千、歩兵二万を奪います。古代において、多くの戦車や騎兵を持っているということはその国力の大きさを示す指標の一つでした。その意味でも、ハダドエゼルの王国が大きな国力を持っていたことを知ることができます。
 さてダビデはこの戦いで戦車一千、騎兵七千を得たのですから、馬だけで数えても八千頭の馬を手にしたことになります。外国から輸入したらとても高価だったでしょうし、なかなかそれだけの馬をそろえることは難しかったことでしょう。しかし、ダビデは戦車の馬百頭を残して馬の足の筋を切ります。ダビデはその戦いにおいて、馬や戦車に頼ることをしなかったのです。彼は主に頼り、公正と正義を行ったのでした。