歴代誌上12章

ダビデよ、私たちはあなたのもの。……私たちはあなたと共にいます。平和がありますように。あなたに平和があり、あなたを助ける者にも平和がありますように。あなたの神こそ、あなたを助ける者だからです。(19~20)

 ダビデがサウルに命をねらわれ、逃げていたとき、そんなダビデの下に集まって来た勇士たちがいました。まだダビデは王位についていません。言ってみるなら、彼はその当時のサウル王の治世下においてはお尋ね者です。しかしそのようなダビデを慕って集まってくる人々も多かったのです。
 ただそのようにダビデのところに集まってくる人たちの中にはサウル王のスパイがいるかもしれません。またダビデの首をとってサウル王のもとに走ればサウルはその人を重用してくれることでしょう。ダビデは自分のところに集まって来る人々に正直に自分の思いを伝えます。
 そこに集まって来た人々を代表するようにしてアマサイが語り出します。アマサイは神の霊に包まれてダビデに忠誠を誓い、「平和(シャローム)」を祈ります。彼らは自分たちがダビデを助けるというよりも、神がダビデを助けられるのを見て、ダビデの下に身を寄せたのです。