サムエル記下18章

「たとえ、この手のひらに銀千シェケルを積まれたとしても、私は王のご子息に自分の手を伸ばすようなことはいたしません。私たちは、王が……誰であれ、若者アブシャロムを守れ、とおっしゃったのを聞いているからです。(12)

 ダビデとアブシャロムの大きな戦いが起ころうとしていました。しかし、アブシャロムはダビデの実の子です。ダビデは戦いに出て行く兵たちの聞いているところで、将軍たちにアブシャロムの命を守ってほしいと懇願します。
 戦いが起こったのは森の中でした。そしてアブシャロムの兵たちはダビデの家臣たちに敗れます。またアブシャロムは、らばに乗って木の下を通ったときに、首が木の枝に引っかかって宙づりになってしまったのでした。アブシャロムが身動きできなくなっているのを見ながらも、ダビデの言葉を聞いていた兵たちはアブシャロムに手を下しません。しかし、ヨアブは迷うことなくアブシャロムのことを殺したのでした。戦いにおいてはヨアブのしたことはセオリー通りなのでしょう。しかし、ヨアブはダビデ王の気持ちが分からない、分かっていても、それを重要と思わない、致命的な問題を抱えていたのでした。