サムエル記下14章

王はアブシャロムを呼び寄せ、アブシャロムは王のもとに来て、その前で地にひれ伏した。王はアブシャロムに口づけをした。(33)

 アムノンに乱暴されたタマルの実の兄アブシャロムは自ら復讐し、アムノンを殺害して、母親の実家であったゲシュルの王タルマイのもとに逃れました。大きな痛みを覚えたダビデでしたが、三年という時を経る中で、アブシャロムとの再会を願う気持ちが募っていきます。
 そのことに気づいた将軍ヨアブは、一計を案じ、アブシャロムをエルサレムに連れ戻す許可を得ます。ただ、ダビデの心の中にはアブシャロムに会いたい思いと、アムノンを殺害したアブシャロムへの厳しい思いが拮抗していたのかもしれません。アブシャロムはエルサレムに戻ってからも二年間、ダビデの前に出ることが許されませんでした。
 アブシャロムは王との再会を切望し、その思いはダビデに伝えられます。五年ぶりの再会が実現しました。しかし、二人の再会は何ともぎこちないものでした。アブシャロムの思いもダビデから離れていきます。