サムエル記上14章

「さあ、あの無割礼の者たちの本隊のところへ渡って行こう。恐らく主は我々に味方してくださるであろう。主が救いをもたらすのに、人数の大小は問題ではない。」(6)

 サウルと共にいたイスラエルの民は六百人。ペリシテ人の軍隊は数えられないほど多くいます。戦線は膠着し、動きがありません。イスラエルの方から攻めかかるのはあまりにも無謀です。もう戦う前に白旗を上げなくてはいけないのではないかという状況です。
 しかし、ここでヨナタンが動きます。彼は武器を持つ従者と共にペリシテの本隊に下って行こうとします。ヨナタンは信仰を持っていました。主が自分たちに味方をして救ってくださる。そして、神が共にいて救ってくださるとしたら、人数が多いとか少ないとかはまったく問題にはならない・・・そう信じていたのです。
 ヨナタンがペリシテの陣営に攻め入って、二十人を打ち殺したとき、ペリシテの中に動揺が走り、そこに突き進んだイスラエルの軍隊によって、サウルは大勝利を得たのでした。ただサウルの発した無駄な命令はイスラエルに大きな痛みを与えることになりました。