申命記34章

イスラエルには、再びモーセのような預言者は現れなかった。主が顔と顔を合わせて彼を選び出されたのは…(10)

 モーセは本当は、イスラエルの民と一緒にヨルダン川を渡って、約束の地に入って行きたかったのだと思います。モーセは体力的な限界を感じて、そろそろ後継者にと思ったのではありません。確かに年齢的には寿命だっったと言えるかもしれませんが、モーセはなお気力も体力も十分でした。何の病気も身体的な不具合もありませんでした。目もかすんでいませんでした。けれども、彼は地上の生涯を終わらなければなりませんでした。
 ただ、私たちの歩みはこの地上だけでは終わりません。そして私たちは皆、この地上から主の御許に移されるときがきます。私たちは誰も死を免れることはできません。そしてこの「死ぬ」ということは残りのことを全部主の手に委ねるという主への信頼の、信仰的な営みでもあることを覚えていたいと思います。
 モーセは顔と顔を合わせて主と語った人です。そして、モーセはこの地上の生涯を終えてさらに近く主の御顔を仰ぐことになったのです。