民数記32章

また彼らは言った。「もし、私たちがあなたの恵みを得るのであれば、この地を所有地として、僕どもにお与えください。私たちにヨルダン川を渡らせないでください。」(5)

 ヨルダン川の東側にあったアモリ人の王シホンとバシャンの王オグの土地は家畜を飼うにはとても適した土地に見えました。そのような中でルベン族、ガド族、マナセの半部族は、ヨルダン川の東側に定住したいと思うようになりました。彼らはこれから始まろうとしているヨルダン川の西側のカナンの地での戦いに対しても自分たちは先頭に立って戦うことを約束して、川の東側に住むことを認めてもらいます。
 彼らはまだ、川の西側の土地がどのようなものなのか知りません。しかし、彼らは東側の土地を見た時に、西側に嗣業の地を得ることを放棄してしまったのです。彼らは確かに、この後、カナンの地における戦いで自分たちが負うと約束したことをきちんと守ることになります。ただ、イスラエルのこの後の歴史で証明されているのは、イスラエルが他国から攻められる時には、このヨルダン川東側の土地は最初に敵の手に落ちていったということです。彼らの選択が賢明だったかは大きな疑問が残るものでもあったのです。