出エジプト記38章

青銅の洗盤とその青銅の脚を、会見の幕屋の入り口で仕える女たちの鏡で作った。(8)

 幕屋の建設においては金や宝石だけでなく、青銅も用いられました。そして、ここには祭司たちが身を洗う洗盤とその脚が青銅で造られていたと記録されています。もちろん、イスラエルの民にとって青銅もとても貴重なものでした。そして、青銅はきれいに磨いて鏡として用いられました。日本でも古代の青銅鏡が出土することがあります。昔はそれはとても高価なものだったのでしょう。日本史の教科書に載っている青銅鏡はこのどこが鏡なのだろうかと思うほどさびで覆われているのですが、青銅は磨き込むと姿を映すことができるようになります。特に女性たちにとって、鏡がどれほど大切なものだっただろうかと思います。けれども、会見の幕屋の入り口で仕える女たちが自分の宝物であった鏡を献げたのでした。彼女たちがささげた鏡は、鏡とは全く違う用途に用いられました。彼女たちの名前も記録されていません。しかし、神さまは彼女たちが自分の鏡をささげたことを決して忘れてはおられなかったのです。