創世記38章

ユダはそれらを確かめて言った。「彼女のほうが私よりも正しい。息子のシェラに彼女を与えなかったからだ。」(26)

 さて三七章から始まるヨセフ物語に挟み込むようにして、ユダの物語が挿入されています。ただ、実は三七章以降の部分はユダを主人公として読み直すと違った響きをもってきます。ユダはヤコブの四男です。しかし、兄たちが資格を失ったために、彼が十二の息子たちの中で神の祝福の約束を直接的に継承することになります。ユダの系図の中でダビデが王となり、ユダの子孫の中でメシヤとして主イエスがお生まれになったのです。
 ユダは三七章を読むと、ヨセフを売り飛ばすという発案をしています。しかし、三八章では、彼は今度は自分の息子たち二人をその罪のために亡くします。
 その後、息子の嫁であったタマルが妊娠したという噂を聞いて激昂しますが、タマルのお腹の子の父親はユダ本人でした。やがて、タマルはペレツとゼラという双子を産みます。実に訳ありの二人なのですが、イスラエルではこのペレツは祝福の代名詞になっていきます。神はユダをそのみ手の中に置いてお取り扱いくださったのです。