創世記32章

ヤコブは、「いいえ、祝福してくださるまでは放しません」と言った。(27)

 ラバンのもとを逃げるように立ち去ったヤコブを主は守ってくださいました。ただ、ヤコブにはさらに大きな不安がありました。それは20年前、自分に対して怒り狂い、殺意を抱いていた兄エサウのことです。ヤコブはエサウにまず使者を遣わします。使者はエサウがヤコブの帰りを喜んで、四百人の者たちを引き連れてこちらにやって来ると言います。ヤコブは血の気が引くような思いがしました。ヤコブはエサウの気持ちをなだめようと多くの贈り物を用意してエサウのもとに届け、また、家族をいくつかのグループに分けて、エサウが襲いかかって来た時のために逃げる準備をします。
 しかし、それでも不安なヤコブはヤボクの渡しにひとり残ります。その時、ひとりの人が現れてヤコブと格闘したのでした。ヤコブはその相手にしがみつき、「祝福してくださるまでは放しません」と言います。その相手はヤコブを祝福し、彼に「イスラエル」という新しい名を与えたのでした。