Ⅰヨハネ2:1~6

「彼におる」と言う者は、彼が歩かれたように、その人自身も歩くべきである。(6)

 ヨハネがこの手紙を書いたのは、一世紀末です。主イエスの十字架・復活、そして聖霊降臨を経て誕生した教会はすでに、エルサレムだけでなく、地中海世界全体に拡がり、ユダヤ人だけでなく、ローマ帝国内の諸民族の間に信じる者たちの群れができていました。そのような中で教会は外からの迫害や、内側からの異端との戦いに直面していたのでした。
 そして、教会が向き合わなければならなかった一つの極端な教えは、主イエスを信じたら魂は救われるのだから、この地上の肉体がどんな罪を犯してもかまわないという放縦主義でした。ただヨハネは、主を知った者たちが、罪の中にとどまることなどできないと語ります。もちろん、私たちの地上の歩みにおいては全く罪を犯さなくなると考えるべきではありません。もし罪を犯すことがあったら、悔い改めて、助け主・義なるイエス・キリストにすがることです。ただそれは罪の中に留まり続けてよいということではありません。私たちは、主イエスが歩まれたように歩むのです。