ヘブル5:1~10

彼は御子であられたにもかかわらず、さまざまの苦しみによって従順を学び、そして、全き者とされたので、・・・永遠の救の源となり、神によって、メルキゼデクに等しい大祭司と、となえられたのである。(8~10)

 大祭司とは、民の中から神によって選ばれて、供え物を携えて神に近づき、人々のために神に仕える働きをしました。イスラエルにおいてはモーセの兄であったアロンが選ばれて代々大祭司の働きをしました。大祭司たちは民の一人でしたから、自らも弱さを負って、民を思いやることができましたが、その罪のゆえに自分自身のためにも罪のあがないをしなければなりませんでした。
 しかし、主イエスは神によって大祭司として立てられ、多くの苦しみの中で、激しい叫びと涙の中で神に祈りをささげ、その深い信仰のゆえに聞き入れられました。そして、信仰をもって御言を受け入れる者たちのために永遠の救いの源となり、神によってメルキゼデクに等しい大祭司とされました。メルキゼデクは創世記十四章に出てくるサレムの王であり、神の祭司であった人物です。主イエスはアロン系の大祭司とは異なるお方として、アロンとその子たちができなかったことを成し遂げてくださったのです。