テトスはクレテ島で伝道し、教会を立て上げようとしていました。クレテでの伝道は必ずしもやさしいものではなかったようです。パウロはこの手紙をギリシャ西部のニコポリで書いています。ギリシャ人の中から救われて、クレテで伝道牧会にあたっていたテトスを励ますためでした。
パウロは旧約聖書の時代に、神が約束された永遠のいのちの望みが成就し、そのことが御言の宣教によって人々に明らかにされていることを喜びをもって宣言しています。主イエスは十字架と復活によって、その救いを成就されました。しかし、神はそのすばらしい福音を世界中の人たちに知らせることを教会による宣教にゆだねられたのです。パウロは自分がその宣教のために召されていることを知っていました。そしてパウロは、テトスのことを「信仰を同じうするわたしの真実の子」と呼んで、テトスもまたこのすばらしい福音の宣教のために働く者であることを認めているのでした。