Ⅱコリント12:1~10

主が言われた、「わたしの恵みはあなたに対して十分である。わたしの力は弱いところに完全にあらわれる」。それだから、キリストの力がわたしに宿るように、むしろ、喜んで自分の弱さを誇ろう。(9)

 「十四年前に第三の天にまで引き上げられた」と言うのは実はパウロ自身の経験だったのだろうと多くの聖書学者たちが言います。パウロはどんな偽教師たちよりも豊かで深い霊的な経験をしていたことでしょう。けれどもパウロはそのような自分の体験を誇ることはしません。そうではなく彼は自分の弱さを誇ると言います。
 パウロの肉体には「とげ」がありました。何らかの病、または眼病を患っていたのではないかと言われたりします。パウロはその「とげ」「弱さ」を取り去っていただきたいと神に求めました。しかし、神は「わたしの恵みはあなたに対して十分である」と言われます。彼の「とげ」は取り去られませんでした。しかし、彼の「弱さ」を通して神の力が完全にあらわされました。弱さの中にも恵みがあふれています。弱さは神の祝福の欠如ではありません。そこにこそ、神の力があらわされます。そして私たちは「わたしが弱い時にこそ、わたしは強い」と告白することができるのです。