Ⅰコリント14:33~40

しかし、すべてのことを適宜に、かつ秩序を正して行うがよい。(40)

 ここでパウロは「婦人は教会では黙っていなければならない。彼らは語ることが許されていない」と言います。今でも、このコリント人への手紙やエペソ人への手紙の言葉から、女性が教会で語ったり、リーダーシップをとることは聖書的ではないと受け止める人がいます。ただこのパウロの言葉は、その当時のギリシャ・ローマ世界の文脈の中で受けとめるべきでしょう。この時代の女性たちは、ほとんど教育の機会を与えられておらず、自分勝手に発言し続けることがしばしばコリント教会の中に問題を引き起こしていたのです。実際には、パウロの手紙の中でも、教会に女性指導者たちがいたことは良く知られています。
 パウロが願っていたのは教会の中に混乱が起こることなく、自分の分をわきまえつつ、秩序正しく物事を語ったり、行ったりすることです。神はそれぞれにすばらしい賜物をくださっています。しかし、それが教会の徳を高めることにつながっていくためには、愛と秩序が大切なのです。