パウロは前の章で「賞を得るように」と語りました。ここでパウロは苦難の中にあって信仰を捨て、せっかく主イエスと出会って救われたのに、その恵みから離れていった多くの人たちのことに思いを向けています。
旧約聖書においてもそうでした。せっかくエジプトを出て、そして同じ霊の食物を食べ、霊の飲み物を飲みながらも、悪をむさぼり、罪を重ね、主を試み、つぶやき続けて荒野で滅んでしまった多くの人たちがいたのです。
信仰の歩みには、苦しみや試練もあります。そしてパウロは、それらはすべて「世の常」だと言います。私たちは自分が一番不幸だと思うのですが、しばしば起こることだと言うのです。そして、パウロは言います。神は耐えられない試練にはあわせない、必ず逃れの道を備えていてくださる。試練は決して、私たちを破滅に追いやるためのものではないからです。