Ⅰコリント9:1~14

あなたがたが主にあることは、わたしの使徒職の印なのである。(2)

 次にパウロが取り上げたのは、パウロの使徒職に対する問いでした。パウロを批判する人たちは、パウロは主イエスの選ばれた十二弟子には含まれていないとして、パウロの使徒性を否定し、パウロのリーダーシップに対して疑問を呈しました。パウロが他の使徒たちのように教会に経済的に支えられているのではなく、時に経済的な困難を覚え、彼が持っていた「天幕造り」の技術を生かして仕事をしていたことも、パウロはフルタイムの使徒ではないという非難を招くことになったようです。
 ただ、パウロはここでまず、基本的に、主のために働く教師たちが、その働きによって必要を与えられ、福音によって生活することを当然のこととして受け入れます。ですから、パウロはコリントで働きを始めた最初の時期は仕事もしていましたが、マケドニヤ地方の教会からの献金が届いてからは仕事を止めて宣教に専念しました。そしてそのようなパウロの働きによって主を信じる者たちが起こされ、教会が生まれました。まさにコリントのキリスト者たち自身がパウロの使徒職の証拠だったのです。