ローマ13:1~7

すべての人は、上に立つ権威に従うべきである。なぜなら、神によらない権威はなく、おおよそ存在している権威は、すべて神によって立てられたものだからである。(1)

 この聖書の箇所は十六世紀のヨーロッパにおいて、「王権神授説」の根拠として用いられた聖句です。王は神から権威を与えられ、ゆだねられているので、神に従うように王に従うべきだとされました。この聖句が王の権威の根拠のように用いられた時代があったのです。ただ、この聖句を支配者たちが自分の権威を正当化し、人々を従わせるために利用するとしたら、それはとても危険なことです。この聖句はパウロがこれを書いた時代的地理的背景を無視しては理解できないでしょう。聖句を自分を正当化するために利用してはいけません。
 ただ私たちが、国の責任を負っているリーダーたちのために祈ることはとても大切なことです。彼らが神を信じていてもいなくても、彼らは神の権威の下に立てられているからです。ですから、彼らは「神に仕える者」としての義務を果たす必要があります。そして、支配者が私たちに神に背くことを要求するような時には、私たちは命をかけて人ではなく、神に従う必要があるのです。