ローマ9:1~5

わたしに大きな悲しみがあり、わたしの心に絶えざる痛みがある。実際、わたしの兄弟、肉による同族のためなら、わたしのこの身がのろわれて、キリストから離されてもいとわない。(2~3)

 さてローマ人への手紙では、一~八章で、「福音」とは何かということが語られてきました。そして、そこでは主イエスを信じる信仰による救いがどんなに豊かなものかということが展開されていました。さてこの九~十一章は次の大きな区分になっていきます。ここでは神がもっておられる救いの歴史的ご計画(「救済史」と言います)について語られます。
 主イエスの救いというのは、決して信じる個人に対して与えられるだけのものではありません。ここではイスラエル人と異邦人に対する神の救いのご計画が語られます。もちろん、ひとりひとりが自覚的に信仰の決断をすることはとても大切なことです。しかし同時に聖書は、民族の救いについても語ります。
 ここでパウロは、キリストを拒んで生きている同胞の民のために大きな悲しみと心の痛みをもって語ります。私たちも日本人、またそれぞれの民のために心を痛め、涙をもって祈るべきではないでしょうか。