ローマ1:1

キリスト・イエスの僕、神の福音のために選び別たれ、召されて使徒となったパウロから――(1)

 ここから手紙集が続きます。これは初代教会の時代に、教会の指導者たちが教会や個人に宛てて書いた手紙です。この手紙を読むと、その当時の生まれたばかりの教会の様々な戦いに触れることができます。これらの手紙を通して、主イエスの救いとはどのようなものであるのか、また救われた者はどのように生きるべきなのかを知り、その時代の様々な神学的・実際的な課題に触れることができるのです。さてこの手紙の中で一番多くのものを書いたのは使徒パウロです。新約聖書の中にはパウロの手紙が十三通残されています。
 さて、最初はローマ人への手紙です。パウロはまだ訪ねたことのないローマの教会に宛ててこの手紙を書いています。手紙が書かれたのはパウロの第三回伝道旅行中、コリントからだっただろうとされています。
 パウロはまず自己紹介から始めます。パウロは自分を「キリスト・イエスの僕」と言います。「僕」とは「奴隷」のことです。主イエスに仕え、主イエスに従い、主イエスのために生きる者だ、とパウロは言うのです。あなたは自分をどう自己紹介しますか。