使徒行伝27:1~12

しかし百卒長は、パウロの意見よりも、船長や船主の方を信頼した。(11)

 パウロは他の数人の囚人たちと共にローマに護送されることになり、百卒長ユリアスに託されました。そして舟を乗り継ぎながら旅を続けたのですが、風に悩まされる中で、クレテ島の「良い港」と呼ばれるところに停泊して時を過ごします。ただ、船長は、無理をしてもクレテ島の西側のピニクス港まで行って、そこで冬の季節を過ごして方がよいと考えました。
 しかし、パウロは、もうすでに航海が危険な季節になっており、この時の航海にも大きなリスクがあるということを主張します。何度も旅をしてきたパウロならではの意見でした。パウロの祈りの中で、そのような危険を示されていたのかもしれません。しかし、立場的にはパウロは囚人です。また、船長や船主がピニクス港まで行こう、行ける、と語っているという中で、百卒長ユリアスは船長たちの方を信頼します。ユリアス自身も旅を急いでいたのでしょう。
 私たちの歩みの中でも誰に信頼し、何に信頼するかはとても大切なことです。自分の経験・願い・誰かの意見・・・私たちは何に信頼するのでしょうか。