使徒行伝25:1~12

「わたしは今、カイザルの法廷に立っています。・・・わたしはカイザルに上訴します」。(10~11)

 ペリクスは、ポルキオ・フェストと総督を交替します。フェストが新しい総督になった時、ユダヤ人たちはパウロのことをこの新しい総督に訴え出たのでした。ユダヤ人たちはなおもパウロを殺すことをあきらめていませんでした。そして新しい総督の下で、もう一度パウロの裁判が開かれます。
 パウロが引き出されると、ユダヤ人たちは数々の重い罪状をパウロに着せようとしました。もちろん、とんでもない言いがかりです。ただ総督フェストはユダヤ人たちの求めに応じて、エルサレムで裁判をしようかと、パウロに持ちかけます。しかし、パウロはここで、むしろカイザルに上訴する、と明言したのでした。
 カイザルはローマの皇帝です。ローマに行って、皇帝の前で裁判を受けたいとパウロは申し出たのです。まさに、パウロがローマの市民権を持っていたからこそ言えたことだったと思います。動かなくなっていたパウロの状況が大きく動こうとしていました。神はパウロの状況を大きく転換しようとしておられたのです。